2016年6月19日日曜日

英語と論語 1



現在日本では、小学校5年生と六年生に、年間35時間の英語教育を課している。

音楽と語学は早い方がいい

なぜ中学からではなく小学校からにするのか。その理由は、音を聞き分ける能力や、音を自分の口で作り出す能力(つまり発音する能力)は、若ければ若いほど優れているからだろう。そのことは世界中で行われた様々な調査で明らかにされている。

成長すると、自分の母語にある音以外は聞き分けにくくなるし、母語に無い発音もしにくくなる。

例えば、日本人の学習者はLRを混同しやすい。
フランス人はHなしで発音してしまうことが多い。(だから「はな」が「あな」になってしまう。)フランス語ではHは発音しないからだ。
韓国の学習者は、濁音が苦手だ。害が貝になってしまったりする。

しかし、子どもたちは簡単に発音の問題をクリアーする。

この点は、音楽教育と似ている。音を正確に聞き分ける力は、幼いときに育むのが一番効果的なのだ。

大人になってから苦労するより、幼いときに楽しみながら学んでしまった方が効率的だということだろう。

クラシックの演奏家として成功した人は、幼い時に始めたという人が圧倒的に多い。

その点、絵画や文学は別である。マチスのように、18歳を過ぎてから本格的に絵を始めて、大画家になる人もいる。

語学の学習といっても、読解力や文法は、成長してからでも十分身に付く。

だから、今小学校の英語教育を、発音や会話重視で行っているのは理に適っていると言える。

ただし、年間35時間で効果があるのかどうかは何ともいえない。やらないよりはマシという程度だろう。

世界には自分の母語と全く異なった言語があるということを、理解しておくためだろうか。


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