2016年7月31日日曜日

なぜ外国語を学ぶのか - 海外旅行するため?


「英語はできなくてもいい。海外旅行に行かないから。」

ある小学生がこう言うのを聞いたことがあります。

英語を学ぶのは海外旅行をするためでしょうか。

それとも、将来仕事で使うため?

では、算数は何のためにあるのでしょう。

計算するため?

計算機があるではありませんか。

体育は?

走れないと困る?

車があるではありませんか。

どうして泳げなければいけないのですか?

鉄棒は何の役に立つの?

歌を歌えなくても生きていけるでしょう?

ミュージシャンになるわけじゃないんだから、音楽はしないでもいいでしょう?・・・

体を使って健康に育つために体育があるなら、その他の教科も、健全に育つためにあるのでは(というか、あるはず)。

数学の問題を解くのに使う脳の部分と、外国語を学ぶために使う脳の部分は、まったく同じではないでしょう。

音楽を聴くときに動員される感性と、絵を描くために使う感性は、違うはずです。

さらに、外国語を学ぶことに関していえば、一つの言語を学ぶことは、一つの文化圏への扉を開くことでもあります。

つまり、必ずしも英語でなくてもいいということです。

ただ、自分の母語とあまり似ていない言語を学んだ方が、頭をたくさん使うことになるでしょう。

英語が世界の共通語のようになり、英語を学ばなければならないのは、私たち日本人にとって、ラッキーなことではないでしょうか。

英語は日本語とあまりにも違っているからです。

科学が得意な子もいれば、言葉が得意な子もいる。

絵を描くのは好きだけど、音楽は苦手だという子もいる。

全部同じようにできる必要はないけれど、一生懸命やってみることで、きっと、頭の筋肉が鍛えられているはずです。


2016年7月27日水曜日

日本語文法N1 「~にたる」



彼は演歌の王と呼ぶにたる歌い手だ。

~にたるN
~には、名詞か動詞の辞書形が来ます

意味:~に十分なN、~にふさわしいN
~に入る動詞や名詞はだいたい決まっています
(Nと呼ぶ、信じる、語る、信頼、など)

例)
吉田さんは本当に信頼にたる人だ。
大村先生こそ師と呼ぶにたる教授だ。
ここには語るにたる友人がいない。(話し合いたい友達がいない)

注意:「~にたえる」という表現と混同しないようにしましょう。

では、練習です。順番を入れ替えて文を完成させてください。

1 (  )(  )(  )(  )ピアニストだ。
 a 天才  b 彼女は  c にたる  d と呼ぶ

2 彼女こそ(  )(  )(  )(  )。
  a と呼ぶ  b 学生だ  c にたる  d 秀才

3 (  )(  )(  )(  )。
 a 信じる  b 人ですよ  c 山崎さんは  d にたる

答えは一番下にあります。



答え: 1 badc  2  dacb  3  cadb 

2016年7月25日月曜日

54歳、Toeic初体験!その2


昨日、Toeicを受けに行くために家を出ようとすると、

「ママ!がんばってね!」

と近所中に聞こえそうな大音量。

前日には、

「ママならきっと大丈夫。ちゃんと見直しするんだよ。」

と、自分が英検を受けるときに言われたのと同じことを言ってくれました。

それにしても、私がToeicを受けると決めてから、子どもも自主的に机に向かうようになった気がします。

「勉強しなさい」と言うより、親が勉強してる姿を見せた方が効果的なのかも。

会場に着いて、机の上に鉛筆を出して、ハッとしました。

消しゴム忘れた・・・

試験管の方に、

「すみません、消しゴムを忘れてしまったんですが・・・」

と言うと、貸してくださいました。

お恥ずかしい。このことは、子どもには言わないでおこう。

家でやってみた模擬試験では、問題数がそんなに多いとは思いませんでした。一方、ケアレス・ミスがいくつかありました。

そこで、リーディングの最初の方は、慎重に進めていました。

最後のパート7に入って、ふと、残りの問題数と時間を見比べた私は、青くなりました。

ひょっとして、終わらない・・・?

それから大急ぎ。

でも、結局、何問か残ってしまいました。

模擬テストをやった時は、時間の計り方を間違えていたのかもしれない。

このことは、とても子どもには言えない。

次回は、パート7から始めるか、最初からガンガン飛ばすことにしようと思います。


2016年7月20日水曜日

子どもの英語の先生は変わっている 2



「どのくらいできるようになったか、ちょっと見てみようか。」

この「テスト」がまた、一風変わってます。

「15分あげるから、できるだけたくさん英語で書いてごらん。」

「何について書くの?」

「自分で考えて。」

出来上がった小さな文章を見て、先生からのコメント。

「うん、文にはなっているけど、文と文のつながりがないね。」

それからみっちりと、接続詞を使って文をつなぐ訓練をしてもらいました。

「前教えてた子も、向こうのハイスクールに留学してがんばってます。お子さんも大丈夫ですよ。心配しないで。」

・・・留学させたいって言った覚えはないんだけど。

でも、しっかり英語で考え、表現できるように指導してもらって、満足しています。

よく、外国語を話す能力が大事だと言います。この能力には、話す内容も含まれているんじゃないかな。そして、どのように自分の話を組み立てるか、ということも。

日本語も英語も同じですよね。

どんなに正しい敬語を使ってスラスラと話していても、言っていることが支離滅裂だったら、意味ないでしょう。

子ども本人も、このちょっと変わった英語の先生に、すっかりなついている様子。

先生の都合がつく限り、続けていただきたいと思っています。

2016年7月19日火曜日

子どもの英語の先生は変わっている



私が教えている日本語学校で、とても優秀な卒業生がいます。

彼はカナダの出身で、英語を教えたことがあるというので、子どもの英語のレッスンをお願いしました。

教科書は、私が探してきたオックスフォード出版の子ども用会話の教科書を使っていました。学校で英語の授業があるので、学校の外では、聞くことと話すことをやってもらえないかな、と思って。

先日、「もう教科書全部終わってしまいました。それに、お子さんにはこれでは簡単すぎます。教科書のことについて話し合いたいのですが。」と言われました。

もう一段難しい教科書にするのかな、と思いきや、

「本を一冊読んでもらいましょう。例えば、『黒馬物語』とか。」

もちろん、本を一冊読むのはとても勉強になります。それに、ネイティヴ・スピーカーに授業してもらうんだから、聞くトレーニングもちゃんとできるし。

ただ、『黒馬物語』ねぇ。うちの子、好きかな。

「そうですね。本はどうしても好き嫌いがありますから、他のでもいいですけど。
なぜ『黒馬物語』を薦めるかというと、文章がとてもよく書けているからなんです。」

うん、それはわかります。
日本語を勉強するのも同じことです。
日本語の勉強用に書かれた教科書を読んでいるだけでは、駄目なんです。
勉強中の人にこそ、文章の達人が書いたものを読んでもらいたいと思います。

ブログとか、インターネットに載っている文章だけでも、やはり足りません。

インターネットの文章は玉石混交です。また、文章がうまい人でも、話しかけるような雰囲気を出すために、話し言葉と書き言葉を混ぜていることが多いです。


私「そうそう、原文に注釈が付いた薄い本がいっぱい出てるんだけど。」

先生「薄い本はだめです。それに、注釈が付いてると、変にその単語を意識しちゃうから、何もついてないのにしてください。」

はい。

確かに、初級の段階で、全ての単語を説明してもらうことに慣れすぎてしまうのは、問題があります。中上級になってからも、文章を読むとき、知らない単語に引っかかってしまうんです。

先生「私がカナダの中学校で本を読まされてわかったのは、全部の単語がわからなくてもいいということだったんです。」

さらに、先生はおっしゃるのでした。

「横に辞書をおいて、自分で辞書を引きながら読むくらいの本にしましょう。」

辞書を引くのは大事なこと。

同時に、知らない単語があっても読めることも大事なこと。

2016年7月16日土曜日

普通の野菜ってどんな野菜だろう



今担当しているクラスには様々な国籍の学生がいて、とても楽しいです。

ある日、

「日本に来るまで、雪を見たことがありませんでした。」

という例文を勉強していました。

すると、マレーシアから来た学生が、

「日本に来るまで、虫食いや傷のない野菜を見たことがありませんでした。」

と言いました。

彼が言うには、「普通、野菜というものは、虫食いや傷があるものです。」

やっぱりそうか。

あまりきれいだと、本物の野菜じゃないような気がする、工場で作られたみたい、とのこと。

マレーシアにも大きな町もあれば田舎もあるので、マレーシアの人がみんな彼のように感じるかどうかはわかりません。

でも、日本のスーパーで売っている野菜を普通の野菜だと思う人口は、世界の中で見れば少数派かも。

フランスのスーパーで売っている野菜も、日本の野菜と同じようなものでした。

2010年代になってから、「見栄えの悪い野菜」コーナーというものがあるスーパーに現れ、珍しいもののように扱われていました。

日本の農家では、見栄えの「悪い」野菜が出荷できないため、多くの野菜が無駄になったり、余分な作業が必要になっていると聞きます。

幼い頃、私は伯父の畑で採れるトウモロコシが大好きでした。全ての粒が黄色ではなく、黒っぽいのや白っぽいのが混ざった、メキシコのトウモロコシみたいなものでした。

粒を包む皮が柔らかく、甘すぎないのが特徴でした。

ところが、ある時から、このトウモロコシはハニーバンダムという品種に駆逐されてしまって、手に入らなくなったのです。

その時の残念な気持ちは忘れられません。

しばらくの間は、伯父の家に行けば私の好きなトウモロコシが食べられました。でもやがて、伯父もこのトウモロコシを作らなくなってしまいました。

親戚中残念に思っていましたが、「もう種を売ってないんだよ。」ということでした。

なぜ?



2016年7月15日金曜日

54歳、Toeic初体験!


「語学の教師は、自分自身が外国語を学び続けるべきだ。」

というのが、私の持論です。

やはり、苦労して学ぶ立場になってみなければ、学生の気持ちはわかりません。

どんな授業が役に立ち、どんな授業は時間の無駄なのか。

そこで、持論を実行すべく、英語の勉強を再開することにしました。

というか、ずっと前から再開することにしていたのですが・・・

やはり、毎日それなりに言い訳があり、目前に具体的な目標がないと、あすなろになってしまいます。

そこで、Toeicに申し込んでしまいました・・・

英語のテストといえば、ン十年前に英検の準一級を取ったのが最後の挑戦です。

フランス、ベルギーに暮らしている間、英語を使う機会はほとんどなく、いけない、いけないと思いつつ・・・

検定試験を受けるときは、いつも先に模擬テストをしてみます。

その結果を見て、自分の弱点がどこにあるか確かめます。

そうすると、効率よく準備できると思います。

最初は、「リーディングは何とかなるかもしれないけれど、問題はリスニングだ!」と思っていました。

私は中学校の時からリスニングに苦労していました。

今の子どもたちは、小学校の時から英語の音に馴染むことができて、羨ましいです。

で、Toeic模擬テストをやってみたら、リーディングもリスニングも同じくらい間違えていました・・・

(写真はイングリッシュ・ブルドッグだと思います。)