2017年7月7日金曜日

七夕とギリシャ神話


織姫の星が輝いていること座には、ギリシャ神話の悲しいお話があります。

ある日ヘルメスは海辺で亀の甲羅を見つけ、弦を張って琴を作りました。
そして、音楽の神、アポロンに贈ります。

アポロンはそれを、オルフェウスに授けました。

オルフェウスが琴を弾くと、猛獣もうっとり。
荒波も静まったといいます。

オルフェウスは、木の精霊の一人、エウリディケと結婚します。

ところがエウリディケは、横恋慕する羊飼いから逃れようと走るうち、誤って毒ヘビを踏み、咬まれて死んでしまいます。

激しく嘆き悲しんむオルフェウス。
妻を死の国から取り戻そうと、琴を手に黄泉の国へ。

音楽によって地獄の番人に言うことを聞かせ、冥界の王に御目通りをゆるされます。

オルフェウスは琴を奏で、歌を歌いながら、妻を返して欲しいと訴えます。
死の王も心を動かされるほどに。

遂に王は、オルフェウスの願いを聞き入れます。
ただし、条件が一つ。

生者の国に帰り着くまで、決して妻を振り返ってはならない。

と、ここでやめておきましょう。
後は、昔話の定石通りに事が運びます。

この神話は人々の想像力を掻き立て、多くの作品の元となりました。

詩人ジャン・コクトォは、『オルフェ』という映画を作っています。
彼の大好きな鏡を印象的に使い、映画史に残る傑作となりました。
オルフェウスとエウリディケに恋する死の国の男女という、神話にはない人物も登場させています。

フランスとブラジル合作の映画『黒いオルフェ』も忘れられません。
この映画の中では、20世紀のオルフェウスがカーニバルを舞台にボサノバを奏でます。

星と星の間に見えない線を引くように、アートは様々な文化と時を自由に駆け巡り、星座を形作っていきます・・・


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