2017年7月13日木曜日

日本語文法「だけ」中級の場合

初級の「だけ」は簡単ですね。
名詞に「だけ」を付ければいいのです。

例)
クラスの女子は私一人だけだった。 
何かペットを飼っていますか。 ー  金魚だけです。


「だけ」には他にも色々な使い方があります。
動詞やイ形容詞の普通形に付けることもできます。

例)
電子レンジに入れてチンするだけで食べられます。
「手伝おうか。」「大丈夫。後はお皿に盛り付けるだけだから。」 
「キャー!」「何?ゴキブリが出ただけだろ。大げさだな。」
あの歌手、顔がかわいいだけで、歌は下手だな。


ナ形容詞の時は
…な+ だけ
となります。

例)
お子さん、元気でいいわね。ー  元気だけで、ちっとも勉強しないの。

では、練習です。 
順序を入れ替えて正しい文を作ってください。

1 「あの人、彼氏?ずいぶん中が良さそうね。」
「あら、(1ことを 2ていた 3宿題の 4話し)だけよ。」

2 「僕と結婚してください。(1くれる 2君が 3だけで 4いて)僕は幸せなんだ。」

3 「彼女、素敵だね。」
「やめとけよ。彼女、(1 だけで 2 性格が 3きれいな 4きつい)から。

4 「あの人、暗いね。」
「そんなことないよ。(1おとなしい 2ただ 3だけ 4ちょっと)だよ。
話してみると、すごくおもしろい人だよ。」


答 1) 3142  2) 2413  3) 3124  4) 2413

1 「のことを話す」
3 「性格がきれい」とは言いません。
4 「ただちょっと」(よく使う表現です)
 

2017年7月7日金曜日

七夕とギリシャ神話


織姫の星が輝いていること座には、ギリシャ神話の悲しいお話があります。

ある日ヘルメスは海辺で亀の甲羅を見つけ、弦を張って琴を作りました。
そして、音楽の神、アポロンに贈ります。

アポロンはそれを、オルフェウスに授けました。

オルフェウスが琴を弾くと、猛獣もうっとり。
荒波も静まったといいます。

オルフェウスは、木の精霊の一人、エウリディケと結婚します。

ところがエウリディケは、横恋慕する羊飼いから逃れようと走るうち、誤って毒ヘビを踏み、咬まれて死んでしまいます。

激しく嘆き悲しんむオルフェウス。
妻を死の国から取り戻そうと、琴を手に黄泉の国へ。

音楽によって地獄の番人に言うことを聞かせ、冥界の王に御目通りをゆるされます。

オルフェウスは琴を奏で、歌を歌いながら、妻を返して欲しいと訴えます。
死の王も心を動かされるほどに。

遂に王は、オルフェウスの願いを聞き入れます。
ただし、条件が一つ。

生者の国に帰り着くまで、決して妻を振り返ってはならない。

と、ここでやめておきましょう。
後は、昔話の定石通りに事が運びます。

この神話は人々の想像力を掻き立て、多くの作品の元となりました。

詩人ジャン・コクトォは、『オルフェ』という映画を作っています。
彼の大好きな鏡を印象的に使い、映画史に残る傑作となりました。
オルフェウスとエウリディケに恋する死の国の男女という、神話にはない人物も登場させています。

フランスとブラジル合作の映画『黒いオルフェ』も忘れられません。
この映画の中では、20世紀のオルフェウスがカーニバルを舞台にボサノバを奏でます。

星と星の間に見えない線を引くように、アートは様々な文化と時を自由に駆け巡り、星座を形作っていきます・・・


2017年7月6日木曜日

七夕とは -2-



明日は七夕。

最近日本では、7月7日に雨が降ることが多いです。
雨が降ると二人は会えないという話もあります。
でも韓国では、 この日の雨は、再開を喜ぶ織姫と彦星の嬉し涙と捉えるとか。

七夕の行事は、中国、韓国、 日本のほか、ベトナムなどでも行われています。 

かつて中国では、針仕事や織物が上手な娘は、結婚相手として人気があったそうです。
だから七夕のお願い事も、針仕事が上手になりますように、というものが多かったようです。

今日本では、字が上手になりますように、とか、泳げるようになりますように、とか、何を願っても大丈夫。

ん?
この短冊は学生さんが書いたようです。



単位ください、か。

「日本語能力試験に受かりますように。」というのもいいかもしれません。

一週間遅かったかな? 

「台風の被害が最小限ですみますように。
避難されている方々が、無事に家に戻れますように」

織姫の星は琴座のベガ。
彦星はわし座のアルタイルです。

こと座については、ギリシャ神話にも悲しい男女の物語があります。

2017年7月5日水曜日

七夕とは


日本語能力試験でがんばった皆さん、お疲れ様でした。

もうすぐ七夕(たなばた)ですね。

七夕は、3月3日や5月5日のように、一年の節目である節句の一つです。

今日本では7月7日が七夕祭りとなっているところが多いですね。

竹や笹に、紙で作った飾り物や、願いを書いた紙を吊るします。
この願いを書いた紙を短冊(たんざく)と言います。
折り紙で飾り物を作る人も多いです。

七夕には、ロマンチックな伝説があります。
この伝説の元になる話は、中国の漢の時代に書かれました。
日本に伝わったのは奈良時代ですが、それ以前から日本にあった伝説と混ざって、今のような七夕伝説になったようです。

伝説のあらすじは、次のようなものです。

星空に、織姫という若い星がいました。
天の王様の娘です。
彼女は織物が上手で、毎日とてもよく働きます。
天の王様は、彼女を彦星という若者と結婚させることにしました。
彦星もやはり働き者で、牛を追って畑を耕していました。
二人の関係はうまくいったでしょうか。
ええ、それはもう!
あんまりうまく行き過ぎて、二人はちっとも働きません。
王様に「お前たち、少しは働いたらどうかね。」
と言われても、
「明日働きます。」
と答えるばかり。
遂に、堪忍袋の尾が切れた王様は、二人を天の川の両側に引き離してしまいました。
二人は、もう二度と会えないのでしょうか。
いいえ、それではひどすぎます。
一年に一度、七夕の夜に、カササギという鳥が天の川に橋をかけてくれます。
二人はその橋を渡って、再会を果たすのだそうです。