2016年8月29日月曜日

試験勉強ばかりしていると、試験には受からない





こんなタイトルをつけると、「わたし試験勉強ばかりしていて、試験に受かりました。」とか、「試験勉強ばかりしていて、受かった人を知っています。」と言う人がいるかもしれません。

 

まぁ、絶対に受からないとは言いません。

 

でも、試験勉強だけするのは、試験に受かるための効率的な方法ではありません。

 

私がこう言えるのは、多くの実例を見てきたからです。

 

例えば、私が教えている日本語学校に、こんな学生がいます。

 

とても真面目で、宿題など、先生に言われたことは必ずやってくる人。語彙や文法の小テストをすると、いつも満点です。

 

ところが、日本語能力試験N1やN2の読解問題をすると、選択式であるにも関わらず、ほとんど間違えるのです。

 

その学生は、問題文の中に出てくる語彙も文法も全部わかります。

 

でも、文脈を読むことができないのです。内容を把握することができません。

 

逆に、こんな学生もいます。正直に言って、あまり一生懸命勉強しているようには見えません。

 

語彙や文法の小テストでは、そこそこ間違えます。

 

でも、日本語能力試験N1を受けたとき、読解問題は全部あっていました。

 

この学生は、文学に興味を持っていました。おそらく、日本語の勉強をする以前に、母語で本をたくさん読んでいたのでしょう。

 

試験を受けると決めたら、勉強時間の殆どが試験勉強になるのは仕方がありません。特に直前はそうです。

 

ただ、試験勉強はあくまでも試験勉強であって、本当の勉強ではないことを、忘れないでください。

 

本当の勉強とは、ある情報をインプットし、それを理解しようとすること、そして、それについて自分の頭でとことん考えることです。

 

読解や作文を強化したい人は、本をたくさん読みましょう。量を読むだけではなく、頭を働かせながら読みましょう。

 

内容だけでなく、文体や言葉の選び方にも注意を払いましょう。

 

聴解を強化したい人は、過去問題のCDを聴くだけではなく、ニュースやドラマ、歌を聴くのがお勧めです。

 

最初、聴解がとても弱かったのに、得意になった学生に話を聞いてみると、毎日ニュースを浴びるほど聞いたと言っていました。

 

日本語を勉強している人は、NHKのラジオをインターネットで聴くのもいいでしょう。速度が選べるので、最初のうち速すぎて難しいと感じたら、「ゆっくり」を選びましょう。

http://www.nhk.or.jp/radionews/

 

この方法は、英語や他の外国語を勉強するときにも、応用できるはずです。

 

試験勉強を始める前にどのぐらい頭を使ったかで、試験勉強の能率が違ってきます。

 

試験勉強をしながらでも、問題集だけではなく、興味のある本を読み進めたり、ニュースや歌を聴くことで、応用力が身に付きます。

2016年8月22日月曜日

Toeic初体験の結果に思う



旅行から帰って、近所の人が預かっておいてくれた郵便を仕分けしていると、Toeicの結果がありました。

リスニングとリーディングを合わせて930点。

時間の配分に失敗し、最後の方ができなかったことを考えると、書いたところはだいたい合っていたのでしょう。

もちろん、リスニングは全部やったわけで、それでもミスがあったということです。

語学で生きている人間としては、もっとがんばりたいところですが、ブランクがあったにしては、悪くありませんでした。

誰かの参考になるかもしれないと思い、どんな勉強をしたのか、お話しします。他の外国語にも応用ができると思います。

Toeicがどんなものか知るために、市販の模擬テストをやってみたことは前にも書きました。

でも、問題集ばかりやっていたわけではありません。

リスニング対策としては、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージランドの異なる発音に馴れるため、インターネットで、色々な国のニュースを聞いていました。

リーディング対策としては、やはりインターネットで新聞記事を読んでいました。

どちらも、自分にとって興味のあるテーマを選んでいました。

単に英語の勉強として、というよりは、ニュースを読んだり聞いたりして、心配したり、怒ったり、考えたりしていました。

語彙を増やしたり、文法を確認するのも、それだけ切り離してやっていたら、あまり頭に入りません。特に、私の歳ではそうです。

どんな単語も、コンテクスト(文脈)の中で使われるのですから、単語だけ切り離して覚えても、あまり意味がありません。

自分にとって興味のあるものをどんどん聞いたり、読んだりして、その中にある単語の意味や使い方を覚えるようにすると、不思議と頭に入りやすくなります。

受験を含め、どんな試験勉強もそうですが、試験勉強だけするのは、実は効率が悪いのです。

「読む」力を養うのが王道です。そしてお金もあまりかかりません!