こんなタイトルをつけると、「わたし試験勉強ばかりしていて、試験に受かりました。」とか、「試験勉強ばかりしていて、受かった人を知っています。」と言う人がいるかもしれません。
まぁ、絶対に受からないとは言いません。
でも、試験勉強だけするのは、試験に受かるための効率的な方法ではありません。
私がこう言えるのは、多くの実例を見てきたからです。
例えば、私が教えている日本語学校に、こんな学生がいます。
とても真面目で、宿題など、先生に言われたことは必ずやってくる人。語彙や文法の小テストをすると、いつも満点です。
ところが、日本語能力試験N1やN2の読解問題をすると、選択式であるにも関わらず、ほとんど間違えるのです。
その学生は、問題文の中に出てくる語彙も文法も全部わかります。
でも、文脈を読むことができないのです。内容を把握することができません。
逆に、こんな学生もいます。正直に言って、あまり一生懸命勉強しているようには見えません。
語彙や文法の小テストでは、そこそこ間違えます。
でも、日本語能力試験N1を受けたとき、読解問題は全部あっていました。
この学生は、文学に興味を持っていました。おそらく、日本語の勉強をする以前に、母語で本をたくさん読んでいたのでしょう。
試験を受けると決めたら、勉強時間の殆どが試験勉強になるのは仕方がありません。特に直前はそうです。
ただ、試験勉強はあくまでも試験勉強であって、本当の勉強ではないことを、忘れないでください。
本当の勉強とは、ある情報をインプットし、それを理解しようとすること、そして、それについて自分の頭でとことん考えることです。
読解や作文を強化したい人は、本をたくさん読みましょう。量を読むだけではなく、頭を働かせながら読みましょう。
内容だけでなく、文体や言葉の選び方にも注意を払いましょう。
聴解を強化したい人は、過去問題のCDを聴くだけではなく、ニュースやドラマ、歌を聴くのがお勧めです。
最初、聴解がとても弱かったのに、得意になった学生に話を聞いてみると、毎日ニュースを浴びるほど聞いたと言っていました。
日本語を勉強している人は、NHKのラジオをインターネットで聴くのもいいでしょう。速度が選べるので、最初のうち速すぎて難しいと感じたら、「ゆっくり」を選びましょう。
http://www.nhk.or.jp/radionews/
この方法は、英語や他の外国語を勉強するときにも、応用できるはずです。
試験勉強を始める前にどのぐらい頭を使ったかで、試験勉強の能率が違ってきます。
試験勉強をしながらでも、問題集だけではなく、興味のある本を読み進めたり、ニュースや歌を聴くことで、応用力が身に付きます。